オフィスのロゴについて:グレーという色

 

  以前、オフィスのロゴについてのブログ記事を書きました(「オフィスのロゴについて:窓からの景色を眺めるように」)が、今回はその続きについて書きたいと思います。

 

 

 以前、リハビリテーション病院に入職したときの接遇研修で、作業療法士の方が、挨拶の仕方について次のような説明をされました。それは、患者さんのご家族と廊下ですれ違う時などの、ちょっとした挨拶について話しているときでした。

 

「リハビリ病院に来ているご家族の方は、家族が入院したことで落ち込まれたり不安を抱えたりと、決して明るい気持ちになれない方もたくさんいらっしゃいます。ですので、挨拶はやたら笑顔だったり、元気に明るく大きな声で言えばいいというものではありません。うちにはそんな風に色々な思いを抱えた方がいらしているということを念頭において、こんな風に(控えめな微笑みと会釈での挨拶を実際にされる)してください」

 

 中には「明るく元気な方がこっちも元気が出る」と思う方もいるとは思います。しかし、それまで受けてきた接遇研修では「笑顔で」「明るく」といった指導がほとんどだったのと比べると新鮮でした。「たかが挨拶」とせず、挨拶を受ける相手の心境を立ち止まって考える姿勢というものが伝わってきたのを覚えています。

 

 

 カウンセリングもまた、何らかの悩みや苦しみを抱えている方が来談される場所です。カウンセリングを受けようと思い、どこで受けようかと探している方もまた同様に、自分1人では抱えきれない悩みや苦しみと共にある方でしょう。

 

 オフィスのロゴはグレーが中心の、暗めの色調になっています。病院やクリニックのロゴは爽やかなシンボルや明るい色が多い中、オフィスのロゴをこういった色調にしたのは、先の作業療法士さんではありませんが、すぐには希望や明るさをもてないような心の状態にトーンを合わせたものにしたいと思ったからでした。

 

 また、グレーというのは白と黒の中間色です。そのどっちつかずの曖昧さというのは、以前ブログ(「ネガティヴ・ケイパビリティ:不確かさに居続ける力」)にも書いた「ネガティヴ・ケイパビリティ」を連想させるため、心と言う不確かなものを扱う場の色にふさわしいのではないかという考えもありました。

 

 そういえば、オフィスの面接室の壁もまた、真っ白ではなくうっすらとしたグレーです(「ご案内」や「GALLERY」ページの写真に少し写っています)。これは元々こういう壁紙だったのですが、オフィスの場所としてここを選んだのにはこの壁紙の色もまた理由の1つだったのかもしれないと今は思います。

 

 

 

2020年08月18日